
思い出を「カタログ」としてご家族と共有し、遺品とより丁寧に向き合うための生前整理サービスです。
従来の生前整理では、じっくりお話を伺うことができないという課題を、固定電話越しのAIスタッフを用いて、シニアフレンドリーに解決します。
遺品整理・生前整理業者であるこころ屋さまが舞台のハッカソン、第3回 iDea Hackathonにて、4日間で制作しました。
こころ屋が目の当たりにしていた課題
現代の日本において、核家族化が進む中、こころ屋はいくつかの課題を感じていました。

そこで私たちは、お家にある物品について思い出と共にまとめたアルバムを制作する、生前整理サービスを提案しました。
物品のカタログ化
まずはお宅にお伺いし、物品をデータベース化するところから始まります。
データベースはNotionで管理されており、ITが専門でない事業者さまにも、シンプルな操作でご利用いただけます。
またこころ屋さまの場合、当日スタッフは必ずしも社員とは限らないという実態を踏まえ、他の依頼者の物品を閲覧できない、物品追加用アプリも用意しました。

その後は、登録されたデータベースから暫定カタログを制作し、ご依頼者さまにお渡しします。

毎日のお電話
暫定カタログをお渡しして以降は、毎日お電話をおかけして、ひとつひとつの物品について思い出話を伺っていきます。
思い出話をお話しすることには、認知症予防などの効果があると言われていますが、一人暮らしをされているご依頼者様にとっては、毎日電話があること自体が重要になってきます。
しかし、こころ屋さまのような、こじんまりとした事業者においては、このサービスは現実的ではありません。
そこで私たちは、OpenAIのRealtime APIを活用したシステムを構築しました。
GPT-4oがこころ屋アルバイトスタッフとして、ご依頼者様のお話をじっくりお聞きし、伺った内容はNotionデータベースに登録していきます。

お電話の中では「今度またうちに来てほしい」といった、自動での対応が難しい要望を受けることも想定されます。
こうした場合には、ご依頼者さまにはスタッフに取り次ぐ旨を伝え、Notionデータベースにも対応が必要であることが記録されます。
こころ屋さまのスタッフは、1日に最低1回、非同期でNotionを確認するだけで、サービスを維持できます。

カタログの制作・ご家族への公開
伺った思い出話は、カタログとしてご本人にお渡しするほか、ご家族に文字起こしや録音データなど含めてお見せすることも可能です。
ご本人にとっても、ご家族にとっても、ご依頼者さまの人生と向き合うきっかけとなることを願っています。

メンバー
Diawel (私)
バックエンド、通話システム
genshi
家族用閲覧システム
たか犬
サービス設計、マークアップ
リンク
https://github.com/diawel/memory-catalog
https://github.com/diawel/memory-catalog-realtime-server
テスト環境データベース
実際の録音データなどもお聞きいただけます。
通話のデモ(電話越しの声の音量を増幅しています)